近年、過去にないほどの資産運用ブームが起きています。
資産運用を行うための金融商品には様々な種類がありますが、残念ながらリスクがない銘柄はありません。すべての銘柄は、多かれ少なかれ元本が割れるリスクが存在します。
ただリスクとリターンは表裏一体で、リスクなくしてリターンはありません。
元本割れに対する拒否反応を取り除くためには、投資商品のリスクとリスクに対する心の持ち方について理解する必要があります。
そこで今回は、投資商品のリスクとリスクに対する心の持ち方についてわかりやすく説明します。
株式投資のリスクとは?
株式投資には様々なリスクがありますが、元本割れするリスクは投資を躊躇させる最たるものでありいつも付きまといます。
では、なぜ元本割れする可能性があるのでしょうか?
この章では株式投資で元本割れが起こる理由について説明します。
株式投資で元本割れが起こる主な理由は3つです。
- 業績が悪い場合
- ネガティブなニュースが流れた場合
- マーケット全体の地合いが悪い場合
株式投資で元本割れが起こる理由についてわかりやすく説明します。
業績が悪い場合
株価は、原則、企業業績が良ければ上昇し、企業業績が悪ければ下落します。
上場企業の場合は、多くの証券会社や投資会社が業績について予想をします。
この予想に対して業績が悪いと株価は下がる傾向にあります。
また、業績が長年低迷しているとなかなか株価が上昇することはありません。
株式投資において業績の好不調は非常に重要になりますので投資する前にチェックするようにしましょう。
ネガティブなニュースが流れた場合
株価は業績だけではなく、その企業に起きた事象において左右されます。
例えば、企業が不祥事を起こしたなどのネガティブなニュースが流れた場合、一般的にその企業の株価は大きく暴落するでしょう。
このように、業績だけではなく、ネガティブなニュースでも株価は大きく下落する可能性がありますので、ご自身が投資した企業のニュースについては、しっかり確認するようにしてください。
マーケット全体の地合いが悪い場合
投資した企業の業績が良く、ポジティブなニュースが流れてた場合でも、マーケット全体の地合いが悪いと個別企業の動向にかかわらず株価は大きく下落することがあります。
わかりやすい例がリーマンショックやコロナショックです。
このような大きな経済ショックが起きると個別企業の固有の状況はあまり関係ありません。
マーケット全体の地合いが悪いと株価は大きく下がることが多くなります。
株価が下がっても動じないための心の対策は3つ!
株価は下がる時は下がるものですが、投資に慣れていない人は株価が少し下がっただけで売却しようか右往左往する人が非常に多いです。
株価が下がっても動じないためにはいくつかの対策があります。
主な対策は3つに集約されますのでしっかり理解しておきましょう。
- 長期間投資できる資金で投資をする
- 分散投資をする
- 投資する際は強い根拠を持つ
株価が下がっても動じないための対策についてわかりやすく説明します。
長期間投資できる資金で投資をする
株式投資などの投資を行う際は、万一の暴落が起きても影響のない余裕資金で投資するようにしましょう。
長期間投資できる資金で投資を行えば、短期で株価が大きく下がっても動じることなく株価が戻るまで待つことができます。
株価が少し下がっただけで動じる人が多いのは、生活必需金の一部で投資をしているからでしょう。
精神的に安定して投資するためにも株式投資などの投資を行う際は余裕資金で行うようにしましょう。
分散投資をする
株式投資などの投資を行う際は、1つの銘柄に集中して投資を行うのではなく、リスク分散して投資するようにしましょう。
個別銘柄やETFへの投資もひとつの銘柄に一蓮托生だと、上昇も下落もずっとその銘柄と共生していくことになります。
ひとつの銘柄に集中して投資を行わなければ、仮にいくつかの銘柄が下がっても動じることは少なくなります。
とりわけ別分野での分散投資だと、ひとつの分野が下落しても共倒れしてしまう可能性は低くなり、いくつかの資産が下がっても他の資産で補うことができます。
分散投資を行うことで、精神的に安定して投資を行うことができますので、ぜひ実践するようにしてください。
投資する際は強い根拠を持つ
投資をする際は、強い根拠を持って行うようにしてください。
自分なりに強い根拠を持って投資すれば、多少株価が下がっても動じることはないでしょう。企業の現状分析、将来性、安定性、過去実績など自分なりの指標を決めて、自己判断、自己決断で行えば何かあっても腑に落ちます。
他人に勧められた銘柄に投資をしてしまうと株価が少しでも下がると他責の念にかられて大きく動揺することになりがちです。他人からの意見はあくまで参考程度にとどめておき引導は渡さないようにしましょう。
自分の判断に根拠を持って投資すれば他責することなく良いも悪いも自分に返ってきますので、世界情勢のニュース分析や企業分析など投資をする際は行うようにしましょう。
参考:暗号資産(仮想通貨)のリスクは2つ!
本章では暗号資産(仮想通貨)に触れます。
2009年にビットコインの運用が開始されて以来、2021年7月現在、暗号資産の種類は3,000を超えるまでに発展しました。
2020年の1年間で暗号資産の代表格であるビットコインの価格は2020年3月の最安値(1ビットコイン約40万円)から約5倍の1ビットコイン200万円を超えました。
コロナショックが起きた2020年に3月にビットコインも暴落しましたが、その後、ほぼ一本調子に上昇しました。
2021年に入っても、ビットコインの勢いは衰えず4月には、一時700万円を超えるまでに上昇しました。しかし、同年5月に突如と急落し一時300万円を下回るまで下落しました。
このように暗号資産は価格変動の乱高下が大きいのが特徴です。
暗号資産の主なリスクは2つです。
- 株価以上に突如として急落することがある
- 暗号資産を大量に保有している著名人の発言によって乱高下することがある
暗号資産のリスクについてわかりやすく説明します。
株価以上に急落することがある
暗号資産は、短期間に大きな動きをする傾向にあります。
突発的に大きな動きをすることがあるので、予測のしようがないのが現況です。
暗号資産で利益を出すためには、当面使う予定のない余裕資金で行うことが重要になります。
暗号資産を大量に保有している著名人の発言によって乱高下することがある
ビットコインは、アメリカの電気自動車大手のテスラが購入することを発表し、急上昇しました。
また、テスラの共同設立者でありCEOのイーロンマスク氏が、ビットコインに関する発言をするたびに乱高下しています。
このように一部著名人の発言によって価格が乱高下するのは、暗号資産の大きなリスクでしょう。
こちらも一般人にはどうすることもできないので価格が変動しても動じない資金で投資するのが大切になります。
まとめ
今回は、投資を行う際のリスクと価格が下がっても動じないための対策について説明しました。
株式投資や投資信託の投資、暗号資産の投資など投資には元本保証はありませんので、高配当で元本保証など投資の甘い誘惑は遮断するようにしましょう。
ぜひ今回の記事を参考にしていただき、投資に関するリスクとリスクに対するマインドセットの参考にしていただければ幸いです。