こんにちは!スローです。
僕は昨年末に脱サラした40代男性です。
元 広告営業マンです。
今、資産運用が空前のブームになり、米国株投資が脚光を浴びています。
日本が経済大国と呼ばれて久しいですが、実際生活しているとそこまで生活が潤っているとは思えず、ネガティブなニュースが飛び交っています。
相次ぐリストラ、給与カット、ボーナスカット、失業率の増加・・・経済成長の高揚感は感じられずこれからの明るい未来が見通せない方も多いのではないでしょうか。
今回は、世界経済からみた日本のポジション、投資ファンドや投資家からみた日本のポジションを分析し、米国株に投資していく妥当性を検証していきます。
最後までお読みいただければ幸いです。
- GDPで日本は世界第3位
- 1人あたりのGDPは世界第23位
- 日本人の平均年収は30年前の1989年以下。。。*1989年@452.1万円で2018年@433.3万円
- 主要インデックスファンドで日本は上位の投資国 *そのほとんどがアメリカに次ぐ構成%
- 主要インデックスファンドではGDP世界第1位の中国より上位の投資国
- 主要インデックスファンドの構成銘柄の60%はアメリカ
- ウォーレン・バフェットが日本5大商社に投資。その後、1社(伊藤忠)がバフェット銘柄に組み入れ。
結論
今現在、世界経済的にも投資市場的にもアメリカに投資するのは妥当です。
*日本株は五輪後のウィズコロナの経済動向、政治動向次第。
GDPからみる日本経済
GDP(gross domestic product)とは、国内総生産のこと。一定期間内に国内で新たに生み出されたモノやサービスのことを指し、国の経済力を示す指標として用いられる。
早速、国の経済力の指標、GDPをみてみましょう。
*名目GDP(GDPをその時の市場価格で評価したもの)のランキングです。
世界の名目GDP(USドル)ランキング
<資料>世界のネタ帳 ●注記 SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ ●出典 IMF – World Economic Outlook Databases (2021年4月版)
日本は世界第3位のGDP。しかも全世界192ヵ国中の3位という好ポジション。
ただ、生活しているとそんな風に感じないのはなぜだろう。。。
2020年、日本のGDPは世界第3位。その日本の名目GDP(USドル)の推移
<資料>世界のネタ帳 ●注記 SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ ●出典 IMF – World Economic Outlook Databases (2021年4月版)
日本は2020年約5兆ドル(約550兆円)で2021年は約5.4兆ドル(約594兆円)を予測しています。
一方、ランキング1位のアメリカはどうなのでしょう?
*1ドル=110円
2020年 アメリカの名目GDP (USドル)の推移
<資料>世界のネタ帳 ●注記 SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ ●出典 IMF – World Economic Outlook Databases (2021年4月版)
アメリカは2020年約20.9兆ドル(約2290兆円)で2021年は約22.7兆ドル(約2497兆円)を予測しています。
2021年の予測GDPは日本とは約4倍の差があります。*アメリカ2497兆円÷日本594兆円
*1ドル=110円
日本とアメリカのGDPを比較すると・・・
日本、アメリカ:1980-2021年 名目GDP(USドル)の推移
<資料>世界のネタ帳 ●注記 SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ ●出典 IMF – World Economic Outlook Databases (2021年4月版)
☆日本のGDPの考察
日本のGDPは、2010年に世界第2位の座を中国にゆずるものの、今現在は世界第3位です。*世界192ヵ国中。
ただ、GDPは人口の多い国がランキングが高くなる傾向にあります。
GDP=1人あたりのGDP x 人口数
この数式のように人口が多ければ多いほど国のGDPは増えます。
日本は「小さい島国」だといわれますが、人口は1億人以上を有しており、世界で11番目の人口数です。
2020年 世界の人口ランキング *対象国 192ヵ国
<資料>世界のネタ帳 ●出典 IMF – World Economic Outlook Databases (2021年4月版)
日本は「小さい島国」といわれます。
ただ、グラフを見ると、日本
ドイツやイギリス、フランス、イタリアより人口が多いのにビックリします。
世界的には人口の多い島国です。
世界第3位の経済大国なのに、そんなに経済的恩恵もないし国の高揚感も感じないのはなぜでしょうか。
GDPは人口数の大きさに多分に影響されることから、「豊かさの尺度」として実体経済とは乖離が出てきます。
日本の豊かさを測る上では1人あたりGDPの方がより一人一人の実像に近いと言われます。
次項では1人あたりのGDPを分析します。
1人あたりGDPからみる日本経済
国民1人当たりの名目GDPとは、名目GDPを人口で割った数のことです。
国民の生産性や豊かさをより細かく把握することができます。
https://say-g.com/gross-domestic-product-2101
1人あたりのGDP=GDP÷人口
2020年 世界の1人あたりの名目GDP(USドル)ランキング
<資料>世界のネタ帳 ●注記 SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ ●出典 IMF – World Economic Outlook Databases (2021年4月版)
1人あたりのGDP、日本の第23位です。
世界第3位のGDPですが、人口で割ると一気にランクダウンしてしまいます。
*1人あたりGDPの第1位はルクセンブルクですが、GDPは第69位です。ルクセンブルクは人口約60万人の小国です。
2020年1人あたりGDP、日本は約40,146ドル(約442万円)です。
一方、気になるアメリカは約63,415ドル(約698万円)です。
*1ドル=110円
日本とアメリカの1人あたりの名目GDP(USドル)の推移
日本の場合
アメリカの場合
<資料>世界のネタ帳 ●注記 SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ ●出典 IMF – World Economic Outlook Databases (2021年4月版)
この推移をみると、2020年の日本の1人あたりGDP(約
40,146ドル)をアメリカは2004年には突破しています。
一方、日本は4万ドル付近を1999年から停滞しています。
比較すると・・・
日本、アメリカ:1980ー2021年 1人あたりの名目GDP(USドル)の推移
<資料>世界のネタ帳 ●注記 SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ ●出典 IMF – World Economic Outlook Databases (2021年4月版)
☆日本の1人あたりGDPの考察
比較グラフを見ると、1987-2000年まではアメリカを超える1人あたりGDPでアメリカより経済的には豊かでした。
それ以降はアメリカに離されていくのですが、ここで注目すべきは、日本の2020年の1人あたりのGDP(40,146ドル)は2009年の41,469ドルと同レベルということです。つまり、今の日本は11年前と同水準ということになります。
厚生労働省が発表している資料(下図)では、日本人の平均年収は1994年の平均年収465.3万円をピークに減少傾向です。
この資料を見るかぎり、1989年の平均年収が452.1万円、それから30年経った2018年は433.3万円と、その差は18.8万円になります。その間、消費税や税金は増税されているので、手取り額は1989年当時より少なくなっています。
30年前より給料が低い。これによりいかに日本の経済成長が鈍化しているか分かります。
平均給与(実質)の推移(1989-2018年)
*平均年収は1989年@452.1万円で2018年@433.3万円。。。
30年前よりもマイナス18.8万円。。。。
つまり、30年前より給料が低い!
主要インデックスファンドからみた日本
全世界に分散投資しているETFを、それぞれ違う運用会社@4社で比較検討します。
- バンガード社:VT
- ブラックロック社:ACWI
- 三菱国際UFJ投信:eMAXIS Slim 全世界株式
- ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント社:GINN
VT (バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)の場合
VT (バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)はバンガード社が運用する全世界の投資可能な市場時価総額98%に分散投資しているETFです。
その数は全世界の9051銘柄(2021年5月現在)にのぼります。
VT (バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)の国別構成比率で日本は6.6%、2番目の投資国です。
地域別の構成比率
国別の構成比率
日本は2番目の投資国で6.6%です。
アメリカは57.3%です。
ACWI (iシェアーズ MSCI ACWI ETF)の場合
ACWI (iシェアーズ MSCI ACWI ETF)はブラックロック社が運用する米国をはじめ先進国、新興国に分散投資しているETFです。
その数は2,309銘柄(2021年7月現在)にのぼります。
ACWI (iシェアーズ MSCI ACWI ETF)の国別構成比率で日本は5.92%、2番目の投資国です。
構成地域図
国別の構成比率
日本は2番目の投資国で、5.92%です。
アメリカは58.94%です。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の場合
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、三菱国際UFJ投信が運用する米国をはじめ先進国、新興国に分散投資しているETFです。
その数は2,955銘柄(2021年5月現在)にのぼります。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の国別構成比率で日本は6.9%、2番目の投資国です。*その他を含めると3番目
日本は2番目の投資国で6.9%です。
*その他を含めると3番目。
アメリカは58.3%です。
GINN(ゴールドマン・サックス イノベート・エクイティ・ETF)の場合
GINN(ゴールドマン・サックス イノベート・エクイティ・ETF)は、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント社が運用する米国をはじめ先進国、新興国に分散投資しているETFです。
その数は115銘柄にのぼります。
GINN(ゴールドマン・サックス イノベート・エクイティ・ETF)の国別構成比率で日本は3.4%、3番目の投資国です。*その他を含めると4番目
日本は3番目の投資国で3.4%です。
*その他を含めると4番目。
アメリカは72.9%です。
☆主要インデックスファンドからみた日本の考察
全世界に分散投資している主要ファンドを調べた結果、日本はその全てのETFで上位の投資国です。
- バンガード社:VT ⇨ 2番目の投資国
- ブラックロック社:ACWI ⇨ 2番目の投資国
- 三菱国際UFJ投信:eMAXIS Slim 全世界株式 ⇨ 2番目の投資国
- ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント社:GINN ⇨ 3番目の投資国
ここから紐解けるのは、世界のファンド会社は、日本を今後成長していく可能性のある国と判断しているということです。
その裏付けとして、投資比率のパーセンテージは世界第1位であるはずの中国を超えています。
これは世界経済からは中国より日本の方が投資的メリットのある国ということではないでしょうか。
ただ、各主要ファンドのアメリカの構成比率は60%近くです。
全世界の銘柄を運用するとはいえ、その60%はアメリカの企業で成り立っているのが見過ごせないポイントです。
- バンガード社:VT ⇨ アメリカに57.3%
- ブラックロック社:ACWI ⇨ アメリカに58.94%
- 三菱国際UFJ投信:eMAXIS Slim 全世界株式 ⇨ アメリカに58.3%
- ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント社:GINN ⇨ アメリカに72.9%
☆投資の神様 ウォーレン・バフェットは日本をどうみている?
投資の神様ことウォーレン・バフェットにとって日本は可能性のある投資先なのでしょうか。
2020年夏に、バフェットが伊藤忠、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事に計70億ドル、それぞれ5%を保有していることが明らかになり、日本市場がドッと沸きました。
その年の冬にバフェットが公開したポートフォリオには、伊藤忠が14番目の銘柄としてポートフォリオに組み込まれました。一方で、そのほかの丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事はポートフォリオから姿を消してしまいました。
バフェットのポートフォリオに組み込まれている日本の銘柄は、今発表されているものでは、伊藤忠商事、ただ1社です。
*訳:ウォーレン・バフェット、日本の5大商社に70億ドルを投資!「総合商社」を見てみよう!!
ここで特筆すべきは、バフェットのポートフォリオの14番目に
「伊藤忠」がランキングしたこと!
まとめ
今回は、世界経済からみた日本のポジション、投資ファンドや投資家から見た日本のポジションを分析し、米国株に投資していく妥当性を検証しました。
この検証からわかるのは、今現在は、世界経済的にも投資市場的にもアメリカに投資するのは妥当ということです。
GDPでは日本は第3位の経済大国ですが、1人あたりGDPは第23位で、実体経済は経済大国とは言いづらい状況です。
投資市場ではアメリカに次ぐ上位ポジションですが、主要ファンドの配分比率では日本は全体の6%でアメリカの60%には遠く及びません。アメリカは投資市場の60%を占めており、日本経済の成長速度はアメリカのそれには及びません。
ウォーレン・バフェットが投資している日本企業が伊藤忠という総合商社であることがなんとも不気味です。TOYOTAなどの専門企業に投資するではなく、今後の日本は専門力の企業ではなく総合力で戦う商社機能のある企業の方がスケールメリットがあるということなのでしょうか。
日本は主要ファンドの構成比率6%でもあることから、依然世界経済においてポテンシャルがありますが、国内の実体経済は弱体化してきています。
今後の日本はアフターオリンピック、ウィズコロナの経済施策がポイントになります。
オリンピックが起爆剤となり日本経済の追い風となるのか、それとも国全体がますます疲弊していきマイナス成長になるのか、これからの経済や政治動向は注目していきたいです。
以上、今回の記事が今後の投資指針としてお役に立てると幸いです。